多くの個人投資家が知っているとは世界最大級のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエイツの創設者であり、歴史的サイクル分析の権威であるレイ・ダリオ氏。彼が2026年現在、私たちが直面している「債務の危機」と「通貨価値の崩壊」、そしてその中でどのように資産を守り抜くべきかについて、極めて重要な警告を発信しています。
わたしたち個人投資家にとって、知っておくべきと思いましたのでぜひシェアをさせていただこうと考えました。本記事では、ダリオ氏の最新の対談やブログから、彼が推奨している投資のスタンスについて解説をしていきます。
国家の「実質的破綻」と通貨価値の希薄化

ダリオ氏は、現在の米国をはじめとする主要国の状況を、歴史的な「債務サイクル」の終盤にあると分析しています。
■ 持続不可能な財政赤字
米国政府の年間支出は約7兆ドルに対し、収入は約5兆ドルしかなく、常に40%も使いすぎている状態だと述べています。この状況は私たちにもよく分かりますが持続不可能であることは明らかではないでしょうか。
■隠れた税金としてのインフレ
国は実質的な財政破綻に直面した際、デフォルト(債務不履行)ではなく「お金を印刷すること」を選択します。これにより通貨価値が下落し、国民はインフレという名の税金を通じて債務を返済させられることになってきているとのことでした。
米国投資をされている方はご存知の方も多いと思いますがコロナ渦には苦肉の策としてFRBがお金を擦り、国民へ配りました。そのつけとしてインフレが長引いているとも言われています。
このように経済不安などがある際も同様にお金の過剰供給が起きることでインフレが起きることは今後のためにも知っておくべきではないでしょうか。
■法定通貨の歴史的宿命と資産防衛
1750年以降、通貨の約80%が消滅し、残る20%も価値を大幅に損なっています。
ダリオ氏は、現代のドルや円もこの例外ではないと警告していて、本質的に法定通貨は「政府の負債」ですが、金本位制を知らない現代人はその危うさを見落としがちだと述べていました。
通貨が毀損する主な原因は、国家の持続不可能な債務にで、政治家は支出を優先して借金を重ね、限界に達すると「通貨の増刷」で価値を薄めて実質的な返済負担を減らそうとします。これは「ソフトなデフォルト」であり、現在の米国も大幅な過剰支出状態にあります。実際、円建て資産も過去30年で金(ゴールド)に対して価値を大きく下げています。
ダリオ氏は、通貨価値を他国通貨との比較ではなく、「誰の負債でもない金」と比較すべきだと提唱していて、世界の中央銀行が米国債を売り、金を購入しているのはそのリスクを察知しているからだと説明していました。
では上記のような時代でダリオ氏の結論はどのようなものなのでしょうか?
■結論としての生存戦略
特定の法定通貨に依存するのは危険で、富を守るにはポートフォリオの10〜15%を金に充てるほか、インフレ連動債やビットコイン等の「供給が限定された資産」へ分散することが、通貨システムの危機に対する唯一の対抗策だと述べていました。
上記の内容をご自身の投資スタンスに少しでも反映しておくことが資産防衛に繋がると感じます。ぜひ一度検討もしてみて下さいね。
【レイ・ダリオが提唱】バブル指標(バブル・ゲージ)の現状
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ダリオ氏は独自の「バブル指標」を用いて市場を評価しています。2024年時点では50%程度だったこの指標ですが、現在は「相対的に高い水準」に達しており、バブルのレベルが高まっていると警告しています。
ではダリオ氏が考えているバブルの基準についてこの章でまとめておきます。
■バブルの6つの基準
①株価が妥当なバリュエーションを超えて高い
単に価格が高いということではなく、過去の統計的な基準や伝統的な指標(PERなど)と比較して、持続不可能なレベルまで上昇している状態を指します。現在の利益や将来のキャッシュフローでは正当化できないほど、価格が先行しているかどうかを判定します。
②新規の買い手の参入
それまで市場に参加していなかった新しい投資家層が流入し始めているかをチェックします。市場が過熱し、普段投資をしない人々までが「乗り遅れまい」と買い始めるのは、バブル末期の典型的な兆候です。
③広範な強気のセンチメント
市場全体が楽観的な見方に支配されている状態です。メディアや投資家の間で「まだ上がる」「今回は違う」といった強気な意見が圧倒的になり、リスクが軽視され始めた時にこの数値が上昇します。
④レバレッジ取引の増加
借金(信用取引など)を利用した株の購入がどれだけ増えているかを測ります。ダリオ氏は特に「レバレッジをかけた信用取引残高の騰落率」に注目しており、これが1年前と比較して急激に上昇している場合は、バブルの条件を強く満たしていると判断します。
⑤先物取引の増加
将来の価格上昇を見越した**予約的な買い(先物やオプションなど)**が増えている状況です。実需を超えた「将来の利益の先取り」が横行しているかどうかを分析します。
⑥保有構造の質
「誰が株を保有しているのか」および「その資金調達がどのようになされているか」**という質的な側面です。安定した長期投資家ではなく、短期的な利益を狙う投機筋や、脆弱な資金基盤で保有している層が増えていないかを評価します。
ダリオ氏は上記6項目をバブルと定義していますが、その定義を踏まえて現状をどうとらえているのでしょうか。
■現在の類似性
現在の市場環境は、1998年〜1999年(ITバブル崩壊前)や1927年〜1928年(世界大恐慌前)に酷似していると述べています。
■金融緩和のジレンマ
経済が弱まれば利下げが行われますが、それがさらなるバブルの膨張を招くという「両方に効く薬がない」状況にあるとダリオ氏は考えていました。
またダリオ氏の分析によると、2024年3月時点ではこの指標は50%程度で「バブルではない」とされていましたが、直近のインタビューでは「相対的に高い水準(おそらく70%程度)」まで上昇していて、バブルのレベルが高まってきていると警告しています。
特に、AIインフラ(GPUやデータセンター)への過剰投資が、かつてのITバブル時のような「技術の陳腐化」によって回収不能になるリスクについても言及しており、現在は「通常よりもリスクが非常に大きい状態」であると結論づけていました。
ではこのようにとても不安定で難しいともとれる時期にダリオ氏はどこに目を向けるべきと考えているのでしょうか。
次章で触れておこうと思います。
推奨投資先

ダリオ氏がここ最近での発言よりどこへの投資が良さそうかと発言していたかをみなさんにシェアできればと思います。
■推奨投資先①:金(ゴールド)
金は「究極のお金」だと言っていて、ダリオ氏が最も強調しているのが金(ゴールド)への配分です。
かつては7.5%程度の推奨でしたが、現在はポートフォリオの10%〜15%を保有すべきだと主張しています。
【負債を伴わない決済手段】
多くの人が「お金」と呼ぶ現金や債権は、本質的には「誰かの負債」です。しかし、金は負債を伴わずに取引を完結させ、価値を保存できる「最も健全で基礎的な投資」です。
【中央銀行の動き】
世界中の中央銀行は現在、米国債の代わりに無リスク資産として金の保有比率を高めています。
【「保険」としての機能】
通貨が刷られ、価値が希薄化される局面(債務危機の際)で、金は最強の分散投資先となります。
■推奨投資先②:インフレ連動債(TIPS)
債権投資において、現在最も安全な選択肢として挙げられているのがインフレ連動債です。
【元本の保護】
インフレが進むと元本が増える仕組みになっており、購買力を維持する上で非常に有効です。
【実質的なリスク回避】
従来の債権はインフレによって実質価値が目減りするリスク(毀損のリスク)が非常に高いですが、インフレ連動債はそのリスクを軽減します。
■推奨投資先③:AI革命を牽引する企業への投資
ダリオ氏は、国家債務の危機というマイナス要因を相殺しうる唯一の巨大なプラス要因として、AI(人工知能)による技術革新を挙げています。
【生産性の爆発的向上】
AI革命によって生産性が向上し、ビジネスを劇的に改善している企業への投資を推奨しています。
【「陳腐化」のリスクに注意】
ただし、GPUやデータセンターなどのインフラ投資については、技術進歩が早すぎて「元を取る前に時代遅れになる(陳腐化する)」リスクも指摘しており、慎重な選別が必要です。
いかがでしたでしょうか?
全てを思考停止でそのまま受け止めるのではなくてご自身にとって重要と感じるものがあればぜひ投資に反映をしてもらえたらと思います。また投資先としてダリオ氏はビットコインについても言及をしていましたので次章で触れておこうと思います。
ビットコインと「ハードマネー」の概念

ダリオ氏は、ビットコインを金(ゴールド)と同様に「法定通貨とは違って供給量が制限されている資産」であると定義しています。
中央銀行が負債の返済や財政赤字を補うために、いくらでも印刷(増発)できる法定通貨(フィアットマネー)は長期的には必ずその価値が希薄化し、購買力を失っていきます。これに対し、アルゴリズムによって発行上限が定められているビットコインは、価値を保存するための「代替的なお金」としての性質を持つと考えているようです。
■投資戦略における位置づけ
【分散投資の手段】
ダリオ氏は「特定の資産に一点賭け(集中投資)をすること」を非常に嫌います。そのため、ビットコインもそれ単体で大儲けを狙うものではなく、金やインフレ連動債などと並んで、ポートフォリオのリスクを軽減するための分散先の一つとして位置づけています。
【「通貨価値の崩壊」への保険】
現在の米国や日本のように、債務が積み上がり、政府が最終的に「お金を刷って通貨価値を下げる」ことでしか債務を解決できない局面(債務サイクルの終盤)において、ビットコインのようなハードマネーは「通貨価値の下落に対する保険」として機能すると指摘しています。
【アセット分散の推奨】
特に日本のように、全資産を日本円のみで保有している場合、金利上昇や円価値の下落リスクに直面します。ダリオ氏は、こうしたリスクから逃れるために、複数の通貨建て資産やゴールド、そしてビットコインなどへ資産を分散することを推奨しています。
結論として、ダリオ氏はビットコインを、デジタル版のゴールドに近い「供給に裏打ちされた健全なお金」の一つとして評価しており、歴史的な債務危機の時代において、法定通貨の劣化から個人の富を守るための有効なツールの一つと考えていました。
個人的にはビットコインはボラティリティ(価格変動)が激しいためポートフォリオ全体の10%程度までとしています。もちろんリスク許容度にもよりますがあまり大きくベットされることは危険が伴いますのでよく検討されるといいのではと考えています。
では次章ではダリオ氏が避けるべきだと考えている資産についても触れておこうと思います。
避けるべき資産:不透明な不動産と伝統的な現金

■現金(法定通貨)
ダリオ氏は、多くの人が「お金」と信じている現金(法定通貨)を、本質的には「政府の負債」であると定義しています。
【「お金を印刷する」という逃げ道】
国が持続不可能なほどの債務(借金)を抱えた際、選択肢は「デフォルト(債務不履行)」か「増税」、あるいは「お金を印刷して通貨価値を下げること」の3つしかありません。政治的に最も選ばれやすいのが「お金の増発」であり、これにより債務を実質的に軽くしようとします。
【購買力の喪失】
お金が大量に印刷されれば、通貨1単位あたりの価値は希薄化します。ダリオ氏は、1750年以降に存在した通貨の約80%が消滅し、残りの20%も大幅に価値を毀損してきたという歴史的事実を指摘しています。
【「現金はゴミ」の真意】
現金や債券は「誰かが返済してくれるという約束」に過ぎません。インフレという「名目上の税金」によって、預金者は知らないうちに購買力を奪われていくため、富を保存する手段としては極めて脆弱であると考えています。
■不動産
不動産は一般的にインフレに強い資産と見なされがちですが、ダリオ氏は現在の局面における分散投資先としての効果には懐疑的な考えを持っています。
【金利上昇への極めて高い感受性】
ダリオ氏によれば、不動産は「インフレ率そのものよりも、金利の動きに対して強く反応する資産」です。現在のように債務問題の解決のために金利が急上昇するリスクがある局面では、金利コストの増加が不動産価格を押し下げる要因となります。
【「税金を課しやすい」という政治的リスク】
財政難に陥った政府は、どこからか資金を徴収する必要があります。不動産は実体としてその場所に固定されており、隠すことができないため、政府にとって非常に税金を課しやすい(捕捉しやすい)ターゲットになります。
【流動性の欠如】
バブル指標が「相対的に高い」とされる現在のようなリスク局面において、売却に時間がかかる不動産は、ポートフォリオの柔軟性を奪うリスクがあると示唆されています。
いかがでしたでしょうか。
個人的には現金のリスクへの考え方はとても共感ができました。私は生活資金、防衛資金、投資資金を分けて管理をしながら実際の投資額とのバランスをとの時期にあわせて考えています。円一択ではなくて他の国の通貨やゴールドやビットコインなどの分散も意識して投資を進めています。
みなさんはどのようなお考えをお持ちでしょうか?
結論:2026年、投資家に求められる「生存戦略」

レイ・ダリオ氏のメッセージは明確で「一つの賭け(集中投資)を避け、適切に分散せよ」ということです。
1.ゴールド(10-15%)とインフレ連動債
通貨価値の下落に対する保険をかける。
2. AIによる恩恵を受ける企業への投資
成長を取り込む。
3. レバレッジの管理
バブルが弾けるリスクに備える。
4. 複数の通貨建てで資産を保有
特定の国の財政リスク(特に日本や米国の債務リスク)から逃れる。
今回の記事はとても長い文章となりましたが最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
レイ・ダリオ氏の警告と私たち個人投資家が考えておくべき投資戦略はいかがでしたでしょうか?
今、100年に一度の債務サイクルの終焉を目撃しているのかもしれません。ダリオ氏の「歴史から学ぶ」姿勢を自身の投資に取り入れ、一緒に不確実な未来に備えていきましょう。
最後まで読んでいただきましてありがとうございました!






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