現在は関税問題や景気後退懸念など米国市場の不透明性が増してきています。またそんな中で米国全体か全世界かのどちらへ投資を集中することが資産の最大化に繋がるかと考えることがあるのではないでしょうか。
今回はバンガードの代表的なETFであるVTI(全米)とVT(全世界)を比較しながら過去と現在の状況をみていこうと思います。
多く方が積み立てNISAでS&P500で米国とオルカンで全世界の投信へ投資されていると思います。ですので同じ動きをしやすい2つのETFの現在地を理解することで今後の投資に活かしていたければと考えてこの記事を作成しました。

ということで今回は「VT(全米)とVTI(全世界)の現在地比較」についてです。
【この記事をみて分かること】
・VTI・VTとは
・基本情報
・株価について
・組入銘柄とセクター比率
・配当実績
・VTIとVTの比較まとめ
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VTI・VTとは

【VTI】
正式名称はバンガード・トータル・ストック・マーケットETF(Vanguard Total Stock Market ETF)になります。CRSP米国総合指数のパフォーマンスに連動する投資成果を目指すしていて、あらゆる時価総額規模の米国株式を保有。米国株式市場全体を投資対象として3500以上の銘柄を保有し、時価総額ベースでウエートを算定。
つまり米国市場の大型、中型、小型株3500社へ分散投資が可能な米国籍のETF(上場投資信託)になります。
【VT】
正式名称はバンガード・トータル・ワールド・ストックETF(Vanguard Total World Stock ETF)になります。FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスに連動する投資成果を目指していて、先進国と新興国市場の両方を対象とし、米国内外の株式で構成されています。時価総額加重の算出法を採用し、保有銘柄は四半期ごとにリバランスされる。
つまり米国(6割)を含む全世界の約10,000社に投資ができる米国籍のETF(上場投資信託)になります。
今回の記事では全米(VTI)と全世界(VT)を比較しながら現在地をみていきますので今後の投資に参考にしていただけると幸いです。ではまずは基本情報からみていきますね。
基本情報
ティッカー | VTI | VT(全世界) |
名称 | バンガード・トータル・ストック・マーケットETF | バンガード・トータル・ワールド・ストックETF |
運用会社 | バンガード | バンガード |
ベンチマーク | RSP USトータル・マーケット・インデックス | FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス |
銘柄数 | 3527 | 9783 |
投資対象 | 米国株式市場全体を投資対象とする。 時価総額ベースでウエートを算定。 | 先進国と新興国市場の両方を対象に 時価総額加重の算出法を採用して 保有銘柄は四半期ごとにリバランス。 |
経費率 | 0.03% | 0.06% |
配当月 | 年4回 3/6/9/12月 | 年4回 3/6/9/12月 |
直近配当利回り (Bloomberg) | 1.34% | 1.24% |
設定日 | 2001年5月31日 | 2008年6月26日 |
【運用会社】
バンガード
※VTI(全米)・VT(全世界)ともに
世界最大級の資産運用会社で、個人向けインデックスファンドを最初に提供した企業になります。1975年にジョン・クリフトン・ボーグル氏によって設立され、低コストで安定的な長期投資を提供することを理念としています。
今回比較するVTI・VTをはじめにVOO・VYMなどがの米国ETFが有名で経費率は0.1%以下と長期保有がしやすいものが代表的な運用会社になります。また世界19カ所に拠点を持ち、膨大な資産を運用しているため安心して購入ができるのではないかと思います。
【銘柄数】
VTI(全米):3527
VT(全世界):9783
銘柄数を考慮すると当然とも言えるかもしれませんがVTがVTIの3倍の銘柄数になります。ですが詳しくは後述しますがVTに組み込まれている銘柄は米国企業が全体の約6割となっています。
今後の経済成長・人口増加を考慮して米国以外にも分散投資を考えている方や投資トレンドは過去は約10年周期で変わっていくことを踏まえるとVTを検討してみるのも面白い時期になっているのではないでしょうか。
【経費率】
VTI(全米):0.03%
VT(全世界):0.06%
運用会社についての説明でもお伝えしましたがさすがバンガードですよね。銘柄数から考慮してもVTの方が高いのは理解できますがそれでもVTは0.06%です。
どちらの経費率でも中・長期の保有がしやすい点は特徴として覚えておけるのではないでしょうか。
【直近配当利回り】
VTI(全米):1.34%
VT(全世界):1.24%
大きな差がなく、後述しますが過去10年平均でみてもほぼ同等になっていました。配当に関してはどちらでも変わらないと覚えておいていただければと思います。
株価について
■株価
【VTIについて】

【VTI株価】
297.08ドル(2025年6月13日現在)
2024年からをみていくと上下はありながら上昇はしてきていましたが2025年2月から下落をしていました。またトランプ関税の影響で4月にはさらに大きく落ちています。
トランプ関税を市場が織り込みはじめた感じもあって底堅さがもどってきて6月には前回の2月下旬の高値300ドル付近まで回復してきました。
【VTについて】

【VT株価】
126.54ドル(2025年6月13日現在)
直近のチャートはVTIとほぼ同様の動きになっていました。
2024年はしっかりと上昇をしてきていましたが2月下旬から下落に転じいます。またトランプ関税は同様に大きな下げとなりましたがVTは前回の2月の高値124ドルを越えてきています。
VTIに比べて回復力があるように感じますよね。
ではここでVTIとVTのトータルリターンをGooglefinanceで比較をしておこうと思います。
■各期間ごとのトータルリターン
【5年比較】

VTI(全米)が約∔20%もアウトパフォームしています。ここまでの米国の強さが分かる結果になっていますよね。ではもう少し短い期間になる1年での比較も見ておこうと思います。
【1年比較】

なんと1年の比較でみるとVTが僅差ではありましたがアウトパフォームをしてきました。直近ではVTがVTIに比べていいパフォーマンスになってきていることが分かります。では次はもっと直近になる年初来でも見ておきますね。
【年初来】

最後は年初来ですが、完全にVTが逆転しはじめていますもちろん切り取る期間によって結果が違うのですが直近では明らかにパフォーマンスの差が出はじめていることは理解をしておくといいのではないでしょうか。
ではこの株価を構成する銘柄とセクターの比率について次章でまとめておきますね。
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組入銘柄とセクター比率
■組入れ銘柄
VTI | VT | |||
銘柄 | 比率 | 銘柄 | 比率 | |
1 | アップル | 6.19% | アップル | 3.60% |
2 | マイクロソフト | 5.17% | マイクロソフト | 3.38% |
3 | エヌビディア | 4.66% | エヌビディア | 2.93% |
4 | アマゾン・ドットコム | 3.36% | アマゾン・ドットコム | 1.99% |
5 | メタ・プラットフォーム | 2.34% | メタ・プラットフォーム | 1.38% |
6 | バークシャー・ハサウェイ | 1.75% | アルファベット | 1.07% |
7 | アルファベット | 1.67% | ブロードコム | 1.02% |
8 | ブロードコム | 1.46% | バークシャー・ハサウェイ | 0.96% |
9 | アルファベット | 1.35% | テスラ | 0.90% |
10 | テスラ | 1.31% | アルファベット | 0.90% |
まずは銘柄ですが上位10銘柄についてはほとんど差がありませんでした。また組入れ比率も見ておくとVTの方が組入れ数が多いため1社ずつの比率は低めになります。
ですが先ほどもいいましたがVT全体の約6割が米国になる点からも上位の銘柄に違いがないのも理解はできるのではないでしょうか。さらにチャートが似た動きをするのもこれが理由であるとも理解ができますよね。
ではセクターも比較してみておこうと思います。
■セクター比率

VTI | VT | |||
順位 | セクター | 比率 | セクター | 比率 |
1 | テクノロジー | 32.90% | テクノロジー | 24.50% |
2 | 一般消費財 | 14.60% | 金融 | 16.50% |
3 | 資本財 | 12.80% | 一般消費財 | 12.20% |
4 | 金融 | 12.00% | 資本財 | 11.20% |
5 | ヘルスケア | 10.70% | ヘルスケア | 9.50% |
上位5セクターで比較するとそこまでの違いはありませんが、VTIの方がテクノロジーセクターの比率が高くなっている点は特徴になるかもしれません。それ以外はほとんど変わらない比率で構成されているのではないでしょうか。
配当実績
VTI | VT | |||
年度 | 配当金(ドル) | 利回り(%) | 配当金(ドル) | 利回り(%) |
2024年 | 3.67 | 1.54% | 2.29 | 2.23% |
2023年 | 3.41 | 1.79% | 2.14 | 2.49% |
2022年 | 3.18 | 1.32% | 1.90 | 1.76% |
2021年 | 2.93 | 1.51% | 1.96 | 2.11% |
2020年 | 2.77 | 1.70% | 1.54 | 1.90% |
2019年 | 2.91 | 2.28% | 1.88 | 2.87% |
2018年 | 2.61 | 1.90% | 1.66 | 2.23% |
2017年 | 2.34 | 2.03% | 1.57 | 2.56% |
2016年 | 2.22 | 2.12% | 1.46 | 2.53% |
2015年 | 2.07 | 1.95% | 1.41 | 2.35% |
平均 | 2.81 | 1.81% | 1.67 | 2.29% |
過去10年の年間利回りを見てみるとVTI(1.81%)でVT(2.29%)となっていました。若干ではありますがVTが勝っているようです。また2023年と2024年を比較するとVTIがVTを下回っていて、差が顕著になってきていてますよね。
この点は覚えておくといいのではないでしょうか。
VTIとVTの比較まとめ

今回はVTI(全米)とVT(全世界)の比較を2025年6月版として行ってきました。その内容をまとめるとまず基本情報は下記になります。
【運用会社】
バンガード
【銘柄数】
VTI(全米):3527
VT(全世界):9783
【経費率】
VTI(全米):0.03%
VT(全世界):0.06%
【直近配当利回り】
VTI(全米):1.34%
VT(全世界):1.24%
大きな違いとしてはまずは銘柄数ですよね。VTが約3倍の銘柄数となっていて分散という点においては確実にVTが勝っています。
一方で経費率はVTIの方が低い設定になっているため、中・長期で投資をされている方にとってはVTIがいいのではないでしょうか。ですがさすがバンガードと言えるほどにどちらも低い設定になるためそこまで迷うこともない程度かと思います。
株価については直近の動きを見てみるとVTの方がアウトパフォームしてきています。また過去5年・1年・年初来でトータルリターンを比較してみましたが結論は5年ではVTIが勝っていますが1年・年初来についてはVTがアウトパフォームしてきています。
この点についてはこれからの検討にはぜひ活かして頂けると幸いです。
また年間配当については直近2年についてVTの利回りが差として出はじめていました。株価・配当と現在についてはVTが期待できる結果になっています。
もちろんですが切り取る時期によって結果は変わりますが今回の記事で全米・全世界のETFについて現在地はみえてきたのではないでしょうか。
ぜひ投資の参考にしていただけると幸いです。
最後まで読んでいただきましてありがとうございました!
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