2010年代の米国市場の好調から2020年代に入ってから10年周期もあり最近はグローバルサウスへの期待が大きくなってきていて投資環境も少しずつですが整ってきています。実際に広瀬隆雄氏やバフェット太郎さんなどもその期待を発信されています。
その中で大きな期待を集めているのがインドですがその他ではどうかをみていくとインドネシアもあがってきています。GDPや人口推移など経済状況をみながら国全体に投資が可能なETFがあります。
ということで今回は「インドネシア全体に投資が可能なEIDO」についてです。
【この記事をみて分かること】
・インドネシアのGDP・人口推移について
・EIDOの基本情報
・株価について
・組入銘柄
・過去10年の配当実績
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GDPと人口推移について
■GDP推移
JETRO(日本貿易振興機構)によるとインドネシア中央統計庁(BPS)は8月7日、2023年第2四半期(4~6月)のGDP成長率を前年同期比5.17%と発表していました。また5%を上回ったのは2021年第4四半期(10~12月)以降、四半期ベースで7期連続となるとのこと。
さらに2023年8月6日のロイターの記事で伸び率は過去3四半期で最大になりロイターがまとめた市場予想の4.39%増を上回り、第1四半期の実績は5.04%増。また第2四半期のGDPは前期比(季節調整前)では3.86%で市場予想は3.72%増と予想を上回ったと報じています
ですが2022年のインドネシア経済はコモディティー(商品)を中心に輸出の堅調に支えられていて、アナリスト商品価格安や各国の利上げで需要が低迷し、景気に影響を与えると予想しているようです。
この点は注意が必要かも知れません。
■人口推移
この点についてもJETRO(日本貿易振興機構)のビジネス通信をみると「2045年の総人口は3.24億人、世界6位に後退の見通し」と報じています。
さらに2022年時点でのインドネシアの人口は世界4位だが2045年にはナイジェリアとパキスタンに抜かれ6位まで後退する見通し。なお2045年時点での世界人口上位5カ国は、国連が2022年7月に発表した世界人口推計2022(World Population Prospects 2022)によると、インド16億4,586万人、中国13億4,976万人、米国3億7,172万人、ナイジェリア3億4,960万人、パキスタン3億4,582万人と予測されている(いずれも2022年7月1日時点、中位予測)とのことでした。
後退とはいえかなりの人口になることは間違いないので経済成長が見込めるのではないでしょうか。ではそのインドネシアに分散して投資ができるETFになる「EIDO」について解説をしてきますね。
EIDOとは
まず正式名称は「iシェアーズ MSCI インドネシア ETF」で米国籍のETF(上場投資信託)。また「MSCIインドネシアIM I 25/50インデックス」に連動する投資成果を目指しています。
ちなみにベンチマークするこの指数をMSCIのサイトで調べるとインドネシア株式市場の大型、中型、小型株セグメントのパフォーマンスを測定するために設計されていて、89の構成銘柄でインドネシアの浮動株調整後時価総額の約99%をカバーしているとなっていました。
インドネシア全体に投資をするなら「EIDO」といったところではないでしょうか。
基本情報
ティッカー | EIDO |
名称 | iシェアーズMSCIインドネシアETF |
運用会社 | ブラックロック |
ベンチマーク | MSCIインドネシアIM I 25/50インデックス |
銘柄数 | 89(2023年9月現在) |
投資対象 | MSCIインドネシアIM I 25/50インデックスに 連動する投資成果を目指す。 |
経費率 | 0.58% |
配当月 | 年2回(6/12月) |
直近配当利回り (ブルームバーグ) | 4.23% |
設定日 | 2010年5月7日 |
前章でもお伝えした通りで組入銘柄数は89で市場の大型、中型、小型株とインドネシア全体に投資が可能なETFとなります。
配当については詳細は後述しますがブラックロックの公式サイトで確認してみると年2回で6・12月に出ていました。またブルームバーグで確認すると配当利回りについては4.23%と高配当ETFになるようです。ですが気になる点としては経費率ですが約0.6%とやはり新興国だなと感じる高さですね。
検討の際には頭に入れておくといいのではないでしょうか。特徴として配当が高いETFということは分かりましたので次の章では株価について解説をしてきますね。
株価について
【株価】
22.77ドル(2023年9月17日現在)
【トータルリターン】
3ヶ月:-2.90%
3年:9.63%
5年:1.89%
直近のチャートをみていくと2023年5月に一度ゴールデンクロスを形成していましたが7月中旬に下降して8月末にあらためてゴールデンクロスを形成してます。ちなみに8月23日が直近の高値となって50日・200日移動平均線の下で推移していますので少し下がっていますのでもう少しウォッチしておきたいところかなと感じます。
また株価推移についてはたぱぞうさんがブラックロックの公式サイトにある比較チャートで説明されていましたがデータが2018年と少し前のものですので新しいものを確認しておきます。
グリーン:EIDO
ブルー:インデックス
おおまかインデックスに近い推移ではありますが当時たぱぞうさんが言っていましたが大変微妙なチャートになっています。
このチャートは分配金込ですのでちょっと弱い印象を受けますよね。これが新興国投資の難しいところになっていて国が伸びてもイコールで株式市場が上昇するわけではないということになります。
自社株買いが活発で、国の経済成長にしっかりついてくる米国市場は稀有と言っていいと考えられます。
念のためですが金利も確認してみました。
インドネシアもアメリカ同様に2022年から上昇がはじまり現在では5.75%で高止まりしていて金利と株価は相対的にシーソーの関係にありますので株価は重い展開になるリスクはありそうですね。
この点については追っていくべき内容ではないでしょうか。では次は組入銘柄とセクター比率についても解説していきますね。
組入銘柄
上記銘柄は2023年8月12日現在のデータになります。
1位:バンク・セントラル・アジア(20.77%)
2位:バンク・ラヤット・インドネシア(15.12%)
3位:バンク・マンディリ(8.39%)
4位:テルコム・インドネシア(4.40%)
5位:アストラ・インターナショナル(4.08%)
※銘柄名をクリックするとブルームバーグで詳細情報を確認できます
特徴にもなるのかと思いますが上位1〜3位が全て金融で全体の約45%と半分近くを占めていました。金融セクターの比率が多いことも配当に反映されているのかもしれないですね。
ではセクター比率についてもう少し詳細をみていきます。
■セクター比率
【上位5セクター】
1位:金融(50.58%)
2位:素材(10.16%)
3位:生活必需品(9.24%)
4位:通信サービス(6.71%)
5位:エネルギー(6.22%)
やはり金融の比率が高く50%を越えていました。セクターローテーションの観点でみてみると金融の比率が高いですがその他では金利と景気をバランスよく考えた比率になっているように思います。
この点については慎重に検討していただきたいと思います。
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過去10年の配当実績
年度 | 配当金(ドル) | 利回り(%) |
2022年 | 4.69 | 2.58 |
2021年 | 4.12 | 1.39 |
2020年 | 3.82 | 1.60 |
2019年 | 3.46 | 1.92 |
2018年 | 3.01 | 2.18 |
2017年 | 2.51 | 1.42 |
2016年 | 2.15 | 1.31 |
2015年 | 1.88 | 1.91 |
2014年 | 1.53 | 1.54 |
2013年 | 1.17 | 2.40 |
2012年 | 0.70 | 1.39 |
平均 | 2.64 | 1.79 |
配当利回りをみてみると1.4〜2.5%程度を上下している印象で年間配当額をドルでみた際には連続増配となっていました。あらためて配当月についても解説しておきますと6・12月の2回になります。この点については期待を持てる点になるのではないでしょうか。
EIDOについてのまとめ
今回はインドネシアをまとめて投資できるEIDOについて解説してきました。インドネシアのGDPについては好調であり、人口の増加推移についてはスローダウンしてきてはいますが世界で第6位となっていました。
インドネシアの市場は伸びしろがあることは分かりましたよね。また配当をみていくと現状では配当利回りが4.23%(ブルームバーグより)と高配当に位置しています。
ですが気になる点について2018年にたぱぞうさんが言及していましたが現状も継続していましたのでお伝えしておきます。
※インドネシア・ルピア/USドルの為替レートの推移(1980~2023年) – 世界経済のネタ帳より
たぱぞうさんはインドネシア市場の魅力はどの市場も寡占的で、有力企業の地位がそう簡単に揺るがないところろがあると言っていました。その将来性は広く認められるところで、上記紹介した企業群は基本右肩上がりです。国の経済成長のうまみを十分に享受していると言えそうと言っていますが現状も同様になりますよね。
ですが投資上非常に難しいのはインドネシア通貨であるルピアがやや安定感に欠けるのも大きな理由だと言っていましたが現状もインドネシアETF(EIDO)がいまいち振るわない原因になっているのではないでしょうか。
グラフは対ドルになっていて対円でも減価しつづけていました。これはルピアは現金では安心して持てないことを意味します。その原因の1つがインフレ率の高さになりますが開発途上国の宿命とも言っていてインフレ率を上回る利益を上げ続けることは簡単ではないからとのことでした。
この点は現状も変わらないですが伸びしろを考えると米国市場ならばドルベースでETFやADRという形でインドネシア投資が可能になるのでEIDOに投資をすればドルで持てますので投資の幅が広がります。
このように検討をしていただくといいのではないでしょうか。
またインドやマレーシアなどより広いエリアで投資を検討されたい方はこちらの記事もあわせて読んでみて下さいね。
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