IMF(国際通貨基金)の見通しでは2027年にはドイツを抜いてインドが世界3位の経済大国になる見込みとのことで急成長をしてきています。またその成長の要因は世界No.1を誇る人口や政府による積極的なインフラ設備投資、インド政府の政策に後押しされた製造業の発展だと言われています。
さらに注目すべきが人口の内訳で、インドの全人口の半数は25歳以下であり、生産年齢人口も中国を抜いて世界No.1になる見込みです。このように今後も急成長が見込めるインドでの投資を検討されている方にとても朗報ですが2024年6月12日にブラックロック・ジャパンから円購入可能なインド株ETFが新設されました。
それがiシェアーズ Nifty 50 インド株 ETF(201A)になります。

ということで今回は「インドへ分散投資可能な東証ETFのNifty 50インド株 ETF(201A)」についてです。
【この記事をみて分かること】
・インド市場の現況
・基本情報
・株価について
・組入銘柄とセクター比率
・配当情報
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インド市場の現況
この記事を作成している6月3日にBloombergの記事で「インド株が最高値更新、モディ首相率いる与党連合圧勝の見通し」が出されていました。
記事では3日のインド株式相場は上昇し、過去最高値を更新。通貨ルピーとソブリン債も値上がりしたと報じています。また投票が1日に終了した総選挙の出口調査でモディ首相率いる与党連合の圧勝が示唆され、投資家はこれを歓迎しているとしていました。
NSEニフティー50インデックスチャート

NSEニフティー50指数は3.3%高と過去3年余りで最大の上げとなり、ルピーはアジア通貨で上昇率2位。またグローバルファンドは今年に入りインド株から30億ドル(約4700億円)余りを引き揚げたが、最近のS&Pグローバル・レーティングによる格付け見通し引き上げに与党圧勝の見通しが重なり、そうした流れが反転する可能性があるとしていました。
そして2024年6月4日にロイターの記事で「インド総選挙、与党単独過半数ならず 野党善戦で株・通貨急落」が出されていました。
内容としてインド総選挙の開票作業が4日始まり、モディ首相率いるインド人民党(BJP)中心の与党連合は過半数を獲得したが、出口調査で見込まれた圧勝には至らないことが明らかになった。一方で野党連合が予想以上に善戦し、これを嫌気して金融市場は急落したとのことでした。
この状況を踏まえて私が投資の参考にさせて頂いている広瀬孝雄氏は最新記事で「今回の選挙結果はモディ政権を「宗教色」から「経済フォーカス」へと引き戻す効果があるので、むしろ好ましいことだと述べています。
またインド株式市場はBJPの苦戦のニュースで大幅安しました。その関係で「しこり」を作ってしまいましたが、それはあくまでも短期的なことであり、長期で見たインドの成長のストーリーには何ら変化はないと仰っていました。
広瀬氏が言うように経済フォーカスへ引き戻されていくことは投資家に取ってはいい兆候ではないでしょうか。またそんな中で今回は新しく設定される「iシェアーズ インド株ETF(201A)」の情報をまとめておきますので参考までにご覧ください。
基本情報
ティッカー | 201A |
名称 | シェアーズ Nifty 50 インド株 ETF |
運用会社 | ブラックロック・ジャパン株式会社 |
ベンチマーク | Nifty50 指数 (税引後配当込み、国内投信用、円建て) |
銘柄数 | 50 |
投資対象 | 日本円換算した対象株価指数に連動する投資成果を 目的として発行された有価証券に投資を行ない、 日本円換算した対象株価指数に連動する 投資成果を目指す追加型株式投資信託 |
経費率 | 0.385%程度 |
配当月 | 年2回(2・8月) |
設定日 | 2024年6月12日 |
【指数について】
Nifty 50 指数(税引後配当込み、国内投信用、円建て)でインドのナショナル取引所に上場する代表的な50銘柄で構成されています。
また銘柄の中から時価総額・流動性・浮動株比率等の基準で選定された50銘柄で構成。指数ウェイトは浮動株調整後時価総額加重方式にて決定。
ちなみに「浮動株調整後時価総額加重方式」とは市場で売買される可能性が高いと考えられる株式を「浮動株」とし、指数用上場株式数(基本的には発行済株式数と同じ)に占める浮動株の割合に応じて、株価指数の構成銘柄のウェイトを決定しています
【経費率】
0.385%程度
経費率はインド株ETFの中では目立って低い設定になっています。例えば同様に東証ETFにあたる1678(NEXT FUNDS インド株式指数・Nifty 50連動型上場投信)は0.95%でドルで購入可能なEPI(ウィズダムツリーインド収益ファンド)は0.67%となっています。
インドの今後の成長性を考えて中・長期的に保有したいETFをお探しの方にとっては201Aの経費率は検討をしやすい材料になるのではないでしょうか。
【配当月】
年2回
年2回で2月と9月の共に9日での支給予定となっているので計算期間が毎年2月10日から8月9日と8月10日から翌年2月9日となります。
ですので恐らく最初の支給は翌年2月になるようです。
株価について
株価(2024年6月14日現在)
205.3円
記事作成は2024年6月10日で設定は2024年6月12日設定になりますのでまだチャートとしてはデータがほとんどありません。ですので東証マネ部の記事よりNifty50のチャート推移とリターンについてシェアしておきます。

2004年1日を100としていますが2020年まで大きな変化がありませんでしたが2020年以降については着実に右肩あがりで伸びてきていますよね。人口ボーナス期への突入やGDPの伸びなどが追い風になっているのではないでしょうか?
また年次リターンもみておこうと思います。

さすがに2020年はコロナショックもあり一桁台ですがそれ以外について二桁でのリターンになっています。インド株の強さが分かるデータですよね。冒頭で大統領選挙の話から目先でのアップダウンはあるかもしれませんが今後も上昇は期待できる国である指数だと理解できるのではないでしょうか。
では次章ではその指数を構成する銘柄とセクターの比率についてもいていこうと思います。
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組入銘柄とセクター比率
■組入れ銘柄

上記銘柄は2024年5月7日現在のBloombergのデータです。
1位:HDFC銀行株式会社(11.6%)
2位:リライアンス インダストリーズ(10.22%)
3位:ICICI銀行株式会社(7.93%)
4位:インフォシス・リミテッド(5.44%)
5位:ラーセン・アンド・トゥブロ株式会社(4.37%)
※銘柄名をクリックするとブルームバーグで詳細情報を確認できます
■セクター比率

【組入れ上位5セクター】
1位 金融:34.11%
2位 エネルギー:12.52%
3位 情報技術:12.06%
4位 自動車:8.06%
5位 消費財:8.03%
金融相場に強い金融と逆金融相場に強いエネルギーが上位になっていて2セクターの比率は全体の50%になります。また2位のエネルギーとほぼ同比率で金融相場に強い情報技術が3位となっています。
比較的に強気な比率だなと個人的には感じますがみなさんはどのようにお考えでしょうか。もちろんリスクは考慮してセクターの組入れているとは思いますので検討する際には覚えておいて頂くといいかと思います。
配当情報
設定されたばかりではありますので実績はない状況です。年2回で2月と9月の共に9日に支給となりますが1回目の支給は2月で計算期間8月10日から翌年2月9日となります。
実績が出てきたらまた進捗も新しい記事で出していこうと思います。
201A まとめ
今回はインドで有名な「Nifty50指数」に円で投資家が可能なブラックロックから新たに設定される東証ETFの201Aについてまとめてきました。
正式名称:シェアーズ Nifty 50 インド株 ETF
ベンチマークはNifty50指数(税引後配当込み、国内投信用、円建て)で銘柄数は50社へ分散投資ができます。設定は2024年6月12日になりますが記事作成の6月14日時点では株価は205.3円になります。
インド市場については広瀬氏の見解にもありましたが経済フォーカスへ引き戻されていくとなると株価にもプラス影響を期待できるのではないでしょうか。またインドは米国市場の影響に左右されずに比較的に株価が上昇を続けているためインド有名指数への投資が可能なのは悪くないと思います。
ぜひ今回の情報をご参考にして頂けましたら幸いです。
さらに201Aと同様に「Nifty50指数」に投資が可能な東証ETFになる1678(FUNNDSインド株式指数・Nifty50連動型上場投信)の詳細にご興味がある方はこちらの記事もあわせて読んでみてくださいね。
最後まで読んでいただきましてありがとうございました!
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