【2023年9月】Vanguard(バンガード)社10年予測の変更【VTIとVT比較】

株式投資

長期投資をしていくうえで今後のトレンドを理解しておくことは重要ではないでしょうか。もちろん投資に絶対はありませんが世界最大級の運用会社Vanguard社が定期的に出している10年後の予測がトレンドを理解しておく指標の1つになります。

また2023年4月に予想を出していたのですが9月に変更をしていましたので今回はその内容について解説をしていこうと思います。

ということで今回は「【2023年9月】Vanguard社の10年予測変更」についてです。

【この記事をみて分かること】
・表記されている株式種類
・2023年9月Vanguard社の予測
・米国の見通し
・中国の見通し
・ユーロ圏の見通し
・新興国の見通し
・VTIとVTの株価の現在地

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表記されている株式種類

まず今回みていくVanguard社の予測は10年間の年換算名目リターンを示していて。2023 年 6 月 30 日のVanguard Capital Markets Model ® (VCMM) の運用に基づいていています。さらに2023年9月13日現在のバンガード投資戦略グループの世界経済市場チームの見解となっています。

また株式表記について理解しておくと予測が理解しやすくなるので簡単に解説しておきますね。

■バリュー株(US value)

対象企業の株価が企業価値や経済状況と比較して割安と市場から評価されている株式銘柄になります。そのため割安株と呼ばれることもあり特徴としては知名度が低かったり注目を集めていなかったりすることで株価が低い状態にある点です。

ちなみに投資の神様バフェットが行う投資としてバリュー株投資があります。バリュー株という言葉をバフェットから知った方も多いのではないでしょうか。

■グロース株(US growth)

将来大きく株価が上昇すると期待されている株式銘柄のことで成長株と呼ばれていて特徴として投資家からの期待が大きく理論上の企業価値よりも株価が高い点です。

ちなみにグロース株投資で有名なのがキャシー・ウッドではないでしょうか。

■ラージキャップ(US large-cap)

時価総額50億ドル超の大手公開企業の株で「ラージキャップ」あるいは「ブルーチップ(優良株)」とも言われています。

ちなみに多くの方がご存知のマグニフィセントセブンと言われるわれるGoogle、Apple、Meta、Amazon、Microsoft、Tesla、Nvidiaなどが代表的な企業になります。

■スモールキャップ株(US small-cap)

時価総額10億ドル未満の比較的規模の小さい公開企業の株です。大型株に比べて成長スピードは速いですがボラティリティー(価格変動リスク)が高いのが特徴。

発行済み株式数が少ないため、必然的に値動きが荒くなりますが好材料が出ると一気に急騰します。反対に悪材料が出ると一気に急落してしまうので投資には注意が必要になります。

ここまで説明してきた株式種類が理解できていれば予測が理解しやすくなりますのでなんとなくでいいので覚えておいて下さいね。それでは2023年4月と比較して9月最新のVanguard社の予測を確認していきます。

ちなみにバリュー株を多く保有するバフェット(バークシャー・ハサウェイ)やグロース株を多く保有するキャシー・ウッド(アーク・インベストメント)のポートフォリオについて下記記事でまとめましたのでぜひあわせて読んでみて下さいね。

2023年9月Vanguard社の予測(4月と比較)

リターン予測2023年9月2023年4月
US equities
(米国全体の株式)
3.7〜5.7%4.4〜6.4%
US value
(米国のバリュー株式)
4.6〜6.6%4.5〜6.5%
US growth
(米国のグロース株式)
0.8〜2.8%2.4〜4.4%
US large-cap
(米国の大型株式)
3.7〜5.7%4.3〜6.3%
US small-cap
(米国の小型株式)
4.3〜6.3%4.7〜6.7%
Global equities ex-U.S
(米国以外の全世界株式)
6.4〜8.4%6.7〜8.7%
Emerging markets equities
(新興国の株式)
6.2〜8.2%6.3〜8.3%

まず「米国全体の株式」についてですが4月に比べて0.7%減少していますが「米国以外の全世界株式」が0.3%の減少となります。Vanguard社は今後10年については全世界株式が全米株式をアウトパフォームすると予測しています。

またエマージング・マーケット(新興国)は4月と比較して0.1%の減少になりますので今後の予測としては全世界株式同様に全米株式をアウトパフォームすると考えているようですね。もう少しみていくと米国の中でバリュー株式は0.1%の減少になるのでそこまでの変更はなかったようですがグロース株式は1.6%も減少していますので大きな成長がないと予測していると分かります。

Vanguard社が予測するリターンを数値でみてみると全米より全世界および新興国が勝っていく考えているようです。また米国野中でもバリューは大きな変化はないですがグロースについては低調に推移するだろうと考えているのが分かりました。

もちろんこの数値が絶対であるとは言えませんが個人投資家よりも情報を持っている専門家が出したものですので頭の片隅にで入れておいて今後の投資スタンスを決めていけるといいのではないでしょうか。

米国の見通し

■景気について

2023年末までの総合インフレ率は前年比3.2%、コアインフレ率は3.6%になると予想。しかし最近のエネルギー価格の変動を考慮すると総合予測の上振れリスクが高まっているとなっています。

■FFレートについて

現在の金融引き締めサイクルが終了するまでにさらに25~75ベーシスポイントの利上げが行われると予想していてFRBの現在の金利目標は5.25~5.5%で22年ぶりの高水準となっています。市場は来年初めの利下げを予想しているが利下げ開始が2024年下半期になると予想。

緩和のきっかけは経済活動が好調を維持する間に景気後退かインフレが低下すること(「ソフトランディング」)になり景気後退の可能性がかなり高くなっていると考えているとのこと。

■GDP成長率について

2023 年のGDP成長率予測を1.8% に引き上げまたとのこと。今後 18 か月以内に景気後退が発生するという当基準予想は変わりませんが、景気後退の確率は約 70% とこれまでの 90% 以上の見通しから引き下げたとのこと。 

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中国の見通し

バンガードのシニアエコノミストであるグラント・フェン氏は「最近発表された貿易、インフレ、信用需要に関する統計は大方の予想ほど悲惨なものではなかった」と述べていて「1ヶ月の統計だけでは状況が好転したと言うには不十分で、中国の経済的課題は確かに終わっていないが、今週さらに有望な統計があれば、安定化の可能性を示すさらなる証拠が得られるだろう」と考えているようです。

また7月に一時的にデフレに突入して広範な消費者物価が前年比で下落した後、8月の消費者物価は前年比​​0.1%上昇、前月比0.3%上昇した。生産者物価は引き続き下落し8月の前年同月比は3.0%下落したが、7月の前年同月比4.4%下落を下回り通年の総合インフレ率は0.5~1.0%と予想。

さらに通年の経済成長率が5.25%~5.75%の範囲になるとの見通しを維持していてリスクは予測範囲の下限に傾いているとの考え。最近のインタビューでバンガードのアジア太平洋地域チーフエコノミストであるフェンとチアン・ワンは「中国の困難な経済についての展望」を提供したとのこと。

ユーロ圏の見通し

バンガードのシニアエコノミスト、シャーン・ライサタ氏は「製造業はここ1年、深刻な低迷に陥っており、第3・四半期は広範な高頻度統計が低調だった」と述べていて「既に実施されている金融引き締め政策の効果は今後2四半期に最大になるとの予想を踏まえるとECBが追加利上げの必要性を認識するとは考えていないとのことでECBは2024年半ばまで金利を据え置くと予想。

また世代間の高インフレに対抗するために利上げサイクルが開始されていて欧州連合の統計機関ユーロスタットによると8月の総合インフレ率は前年比5.3%で横ばいとなったとのこと。

2023年の残り期間は急激なディスインフレ軌道が続きコアインフレ率は約3.3%で年末を迎えると予想しています。

さらに英国と同様に経済の弱体化や重大な雇用の喪失なしに物価が正常化する「痛みのないインフレ解消」の見通しについては懐疑的だ。リスクは下方に偏っているものの、失業率は7%に上昇すると予想していて今後18ヶ月以内に景気後退に陥る確率は90%であると考えています。基本シナリオでは2023年の第3四半期と第4四半期に経済が縮小すると予想しているとのこと。

新興国の見通し

インフレの継続的な進展によってラテンアメリカではさらなる利下げが可能になりました。バンコ・セントラル・チリは 7月下旬の100ベーシスポイント引き下げに続いて9月5日に主要金利を75ベーシスポイント引き下げ9.5%としています。

ブラジル中央銀行は9月19日にSelic金利をさらに引き下げると発表すると予想。中銀は前回会合でSelicを50ベーシスポイント引き下げ13.25%としています。

過去8週間で世界の主要通貨に対して上昇した米ドルと新興国市場がどう戦うか注目していていると述べていてバンガードのエコノミスト、ヴィータス・マキュリス氏は「ドル高による新興国にとっての主なリスクは、ドル建て輸入品のコストが上昇することであり、それがインフレを促進し、成長にとって重要な利下げのタイミングを遅らせる可能性がある」と述べているようです。

新興国市場は通貨防衛の手段として高金利を利用することが多いとのことで中国の成長鈍化による潜在的な影響にも注目していて現在までのところ世界経済の回復力の中でその影響は最小限に抑えられていてメキシコ、韓国、ベトナムなどの国々への世界貿易の多様化が進んでると考えているとのこと。 

VTとVTIの株価の現在地について

Google Financeより

では最後に全米と全世界の株価を比較してVTIとVTを1年リターンのチャートでみておこうと思います。

ここ1年で比較してみると全米(VTI)が若干ではありますがアウトパフォームしているのが分かります。ですがVanguard社の今後の予測を踏まえると逆転していくことが予想できるますよね。

さらに各国の見通しも踏まえて考えると新興国への注目が伺えます。ここ最近で台頭してきているインドなどを考慮すると新興国やフロンティアマーケットへの投資を検討しておくのもいいのではないでしょうか。

上記への投資について下記の記事でまとめてありますのであわせて読んでみて下さいね。

さらにグローバルサウスのインドへの投資に興味ある方は下記記事も面白いと思いますのでぜひみておいて下さい。

今回は2023年9月最新のVanguard社の10年予測について解説してきました。

もちろんこのデータが絶対ではありませんのであくまで参考としてご自身の投資に活かしていくといいのではないでしょうか。2024年から新NISAがはじまりますのでこのタイミングで投資スタンスを見直すための参考になれば幸いです。

最後まで読んでいただきましてありがとうございました!

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視聴レビュー記事をまとめたので不安な方はぜひ読んでみて下さい。

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